共通口座の管理に,住信SBIネット銀行がすごいという話
はじめに
共働き夫婦の,お金の流れを見える化・効率化するための施策について考えました。
共働き夫婦(に限らず,同居人がいる共同生活)が最初に直面する問題が,生活費をどう管理するのかということである。
- 共通口座への拠出額と支出額を見える化し,「収支管理」を行うことだけではなく,よりサスティナブルな関係性として「蓄財」する,ないし「運用する」ことも容易にできる,はず。
解決すべき問題
- 制度上の問題:
- 日本では,「共通名義の口座」を持つことは許されていない。したがって,共通口座とはいっても名義は1つの個人である。
- 各種支払いは契約者と口座名義が一致していなければならない。よって,収入の面では,それぞれの稼ぎを自動的に1つの口座に振り込むようにすること(給与振込口座)は通常の場合できないだろうし,それぞれがクレジットカードを持っていたとしても,その支払口座を1つにまとめることは不可能であることがほとんどであろう。
- よって,複数名義で複数収入がある共稼ぎの場合,構造的にすべての生活口座を一つにまとめることはできないはず。
- 金銭的コスト上の問題:
- しかし,収入が限られているのであるからそもそも共通口座にするわけであるので,共通財布で管理したほうが効率的なのは間違いない。
- なので新たに銀行口座を作成し,一元化することが求められるわけであるが,口座間の現金移動の場合には振込手数料がかかる(他行口座の場合は特に)。
- さらに悪いことに,まっさらな口座を作ろうにも,メガバンク系は運用コストを削減しようと休眠口座を全力で解消しようとしているので,新しい口座が作成できない(昔はいくらでも作れたみたいだが,現在は「ひとり1口座」が前提であるみたい・・・)。
実態的なコスト(手間)の問題:
- 手数料払うことを惜しんで,A銀行のATMにならんでそこからお金を引き出し,B銀行に赴いてそこのATMからお金を振り込み・・・というのを繰り返すことは,機会損失の観点から見ればあまりスマートではない(ついでにできる程度ならいいけど,安全面での問題もあるね)。
というわけで,①出入金(振込・振替)における名義人の制約,に加え,②口座作成数の制約があることから,振込手数料が不可避的にを発生するため,共通口座をメガバンク系で作成することは全然効率的じゃない。
- 銀行口座の名義人と異なる人物によって入出金ができる「代理人カード」があっても,複数収入の給与振込口座を一活にできない以上,この問題は解決しない。
論点の整理
というわけで,ソリューションとして何がしたいのかを考えると,次の3点に集約される。
- クレジットカードと家族カードの併用で,支払いの口座の一元化(制度的な問題に対処)
- 他行への振込手数料が無料になるネット銀行(住信SBIネット銀行)の活用(金銭的コストの解消)
- 自動入金・自動出金を設定できるネット銀行(住信SBIネット銀行)の活用(実態的なコストの解消)
つまり,①クレジットカード+家族カード,②住信SBIネット銀行を作成し,共通口座として運営,することにより,上記の問題点は解消されることになる!順番に見ていこう。
1. クレジットカードと家族カードの活用
- どのクレジットカードがおすすめなのか,というのはクレカ紹介サイトが群雄割拠で情報豊富なので,その辺を参照してもったほうが有益だと思うので詳細は割愛するが,結論として「楽天カード」+「家族カード」を選んだ。
- 家族カードとは,名義の異なる同居人が使えるカードであり,引き落としはメイン契約者の口座から引き落とされるものである。
- 固定費の支払いから,日常の生活費の支払いまで可能な限りカード払いにすることで,支出の管理が一元化され,容易になる。
- ちなみに,数あるクレカの中から楽天を選んだのは,ポイント還元率の高さと,あとはYOSHIKIデザインがかっこいいことである。
2.住信SBIネット銀行の活用
住信SBIネット銀行は,すごい。色々すごいのだけれど,今回の問題解決に貢献するポイントのみを列挙する。
- 同行内(住信SBIネット銀行)の口座間であれば,名義が異なっても入出金の手数料が無料。
- 住信SBIネット銀行から他行への振り込みについて,月々の振込手数料が月に1回以上無料(条件によって無料回数は増える)。
- 住信SBIネット銀行から他行・自行問わず自動振込設定が可能。
- 他行から住信SBIネット銀行への自動入金サービスが設定可能(手数料無料)。
つまり,次の手順でスキームを構築してしまえば,あとは定額の収入がある限り,お金の流れは自動化される。
- まずは夫側・妻側でそれぞれ住信SBIネット銀行の口座を作る(ここでは仮に,夫側を共通口座として運用するとする)。
- 自動入金サービスを活用し,夫側の給与振込口座(住信SBIネット銀行以外でもよい)から,毎月決まった日に住信SBIネット銀行(夫名義)に定額が入金されるようにする(手数料無料)。
- おなじく自動入金サービスを活用し,妻側の給与振込口座(住信SBIネット銀行以外でもよい)から,毎月決まった日に住信SBIネット銀行(妻名義)に定額が入金されるようにする(手数料無料)。
- 定額自動送金サービスを用い,妻名義の住信SBIネット銀行から夫名義の住信SBIネット銀行に定額の送金がなされるように設定する(住信SBIネット銀行同士だから手数料はかからない)。→これで共通口座への拠出額がゼロコストで一元化される。
- 支払いは極力クレジットカードで行う。できない分は現金で立替え月末に精算する仕組みなどにする。クレジットカードは家族カードでそれぞれが行い,引き落としは住信SBIネット銀行(夫名義)からまとめて行われる。
さらなる拡張:家計簿管理と蓄財
- クラウド家計簿ソフトを用い,家計簿管理を行う。
- Money ForwardやZaim,Money Treeなどのアプリケーションと金融機関を連携させることで,支出額の管理が極めて容易になる。
- 無料版で金融機関が一番多く連携できるのは,Zaimかと。
- 有料版にすればどれでもハイパフォーマンスで,予算の管理などもできる。細かい比較はここでは省略。
- SBI証券と連携する。
- 住信SBIネット銀行をSBI証券に連携させることで,積立投資などがスムーズに行えるようになる。
- 預金額をグループ分けする。
- 住信SBIネット銀行は,預金額をいくつかのグループに分けて別保管することができる。つまり,簡単に言うと複数の口座を持っているのと同様の効果が享受できるということ。
- 生活用,貯蓄用,投資用など預金額にタグ付をしてグループ管理するイメージ。